携帯電話ストラップ 
    「必要は発明の母」

 今回は最後のオチだけが個人的「発明大将」で、前半99%が「先達の知恵」と常連さんのお一人である「落下傘さん」からの受け売りです。 [ このページを落下傘さんに贈ります。]

 

 これは何だと思いますか?!


 ちょっと訳あって、このアクセサリー(?)を落下傘さんからプレゼントとしていただきました。ともかく、すっごく気に入ったプレゼントだったので、最後のオチを考えついたのですが、お陰でいろいろな知識を得させていただくと同時に、自分の見識のなさを思い知らされました。ありがとうございました。

 これが何かをすぐにわかる人は大したものです!

 

 これは寿命の尽きた和弓の弓を輪切りにしたものです。

 和弓がこんな構造というか、こんな作りになっていたとは知りませんでした。まずは真竹(まだけ)を割いて断面が四角になるように作ります。これを「ひご」と呼ぶそうですが、これを焦がしてカーボン化します。この「焦がす」こと自体、竹の反発力を高めるためです。すごいでしょう。
 そして竹の皮と肉が左右の関係になるように張り合わせます。それが芯部分の黒い所です。これを両側(左右)から黄櫨(はぜ)の木で挟み、前後(的側と顔側)を真竹で皮がどちらも外側を向くように、アーチェリーのリムのようにサンドイッチ構造で挟み込みます。
 それだけではありません。洋弓(アーチェリー)と和弓の大きな違いは、矢をつがえる位置にあります。右射ちの場合、洋弓はハンドルの左側に矢を置きますが、和弓は右側です。そして洋弓ではハンドルにウインドウと呼ばれる削り込まれた部分があるのですが、和弓は削り込みはなく一本の弓のままです。そこで先達の知恵として、芯になるカーボン化した真竹の組み合わせを変えるのです。左右対称に組むのではなく、顔側から見て左から|皮|肉|皮|肉|皮|肉|と左側に皮が多く来るように作るのです。そうすると、竹は皮より肉が弱いため弓は左側に膨らむように反ります。弓全体でウインドウを形作るというわけです。このような弓を和弓では「入り木」(いりき)と呼び、逆に反った「出木」(でき)は欠陥品とされるそうです。
 そして、これらの接着には膠(にかわ)が使われます。弓を作る弓師はこれを「にべ」と呼ぶそうですが、元来膠は獣類の皮や骨、腸、爪などを煮出した液をさまして固めたものです。ところが弓師によっては、魚の浮き袋を煮出して使ったらしいという記録もあるらしいのですが、この製法は弓師の門外不出の「極秘」であったらしく、現在でも製法や原料は定かではないようです。しかしともかくは、最近の合成接着剤で作られた弓より扱いは難しくても、良い弓であることには間違いがないようです。
 すごいでしょう。昔の人は強度、反発力、耐久性を実現するために一本の竹にしか見えない弓に、これだけのノウハウをつぎ込んで来たのです。

 で、この素敵なプレゼントを携帯電話に付けようと思ったのが、今回の個人的発明大将です。
 最初はこれを取り付けられる携帯ストラップを探したのですが、適当なものが見つからず・・・・・ひらめいたのが、ストリングです!
 写真はファーストフライトの黒の原糸ですが、ケブラーでもカラー原糸を撚り合わせてもキレイです。使い古しのストリング原糸を2本づつで三つ編みにして完成です。6本弦ですね。結び方はこちらです。これで絶対切れない、自分だけのオリジナル「携帯電話ストラップ」の出来上がりです。
 昔、折れたリムのチップ部分で作った同様のアクセサリーをもらったことがありますが、例えばいろんな色のノックをいくつも通したりするのもカワイイかもしれません。で、ストラップが切れないのと、長さが自由に出来るので、リムや穴開きハンドルをそのままぶら下げてもいいですよ。これで飲みに行っても、合コンでも30分は主役になれること、間違いなーし! 絶対目立つ、現代人の知恵ですね!!
 

copyright (c) 2002 @‐rchery.com  All Rights Reserved.
I love Archery