新築の時に植えたはいいけれど想定外に成長しすぎて困っている、リフォームの際に邪魔になってしまうなど、さまざまな理由で庭木の伐採が必要になるケースがあることでしょう。しかし樹木の伐採と一口に言っても、単に木を折ったりノコギリで切れば良いという訳ではありません。また土地に余裕のある地域とは異なり、住居同士が密集していることが多い東京都であれば注意すべきポイントも増えてきます。ここでは樹木の伐採方法の基本に加えて、揃えたい道具や気をつけたいポイントについて解説します。加えて、東京都での廃棄方法や必要な届け出に関しても見ていきましょう。

東京都内での伐採方法の選び方

通常、庭木の伐採は自分で行うか植木屋などの業者に依頼するかの二者択一となります。庭の敷地面積や伐採したい樹木の本数、その高さや幹の太さなどで決めれば良いでしょう。生け垣やこだわりの樹形があるならば、専門職に依頼した方が仕上がりが綺麗な上に楽です。本数が少ない、敷地面積もそれほど大規模でない場合は自分で行うことも可能です。自身で行う場合、ノコギリもしくは電気式チェーンソーを用いて伐採します。
ただし、住んでいる地域が密集している住宅街である場合いくつかの注意点もあります。木の成長具合によっては、伐採を行っている最中に葉や枝が隣の家の庭に落ちたり、木が隣の家の方向に倒れるといった要素です。また伐採に用いる器具のうち、電気式チェーンソーやノコギリを使用する場合時間帯や住宅地の密集度合いによっては騒音にも気を配らなければなりません。東京都は一部の地域を除いて狭く密集している宅地が多いため、生活や工事の騒音に関して厳しい条例を定めています。特に東京都23区においては、作業をする際に各自治体に届け出を提出する必要があるところも珍しくありません。該当する地域の方は、一度市役所や区役所の環境緑化推進担当に問い合わせてみましょう。

伐採が可能な樹木の基準と必要な道具

花や野菜の株とは異なり、樹木を伐採する場合サイズによっては困難なことがあります。特に樹高がありすぎたり、幹が太い際は未経験者には少し難しいです。高さは3mまで、幹の直径は20cmまでの庭木であれば未経験者でも無理なく実行できるサイズと覚えておきましょう。
次に、伐採に必要な道具を揃えていきます。肝心の刃物ですが、対象の樹木が1〜3本程度であればノコギリでも大丈夫です。ただし4本を超える本数であれば、時間や手間の上に筋力も相当必要となるためノコギリのみだと現実的ではありません。ホームセンターなどで販売している、電気式チェーンソーを用いた方が無難です。バッテリー機能つきなど樹木の規模や庭の面積にもよりますが、価格は1万円程度を見ておけば良いです。
ある程度の高さや幹の太さがあれば、伐採の際に倒れる方向を誘導するためのロープも必要になります。目安は直径10mm以上で、なおかつ頑丈なロープが必須です。切った後に木の根を掘り起こすために、シャベルも欲しいところです。こちらもホームセンターなどで販売している、園芸用のもので間に合います。さらに伐採した幹や葉を捨てるために、ゴミ袋やガムテープといった廃棄用資材も必要です。

自分で伐採する際の手順

伐採の道具を揃えたら、正しい手順も見ていきましょう。手順やその注意点を知ることで、安全かつスムーズに伐採作業を行うことができます。
木を切り始める前に、まずは木を倒す方向を決めておくことが先決です。準備せずに切り出すと倒れた方向によっては窓や壁の破損、隣の家や周囲の通行人に思わぬ被害が及びます。ポイントは倒したい方角に向かって、引っぱるようにしてロープを張ることです。これにより、想定外の場所へと倒れる可能性が大幅に削減します。
いよいよ伐採ですが、ここでポイントとして挙げられるのが一度に切り倒そうとしないことです。木は見た目よりも非常に重量があり、切っている最中に勢い良く倒れるといったトラブルも発生しかねません。そこでまずは自分の肩くらいの高さで一度切っておき、さらに根本近くをもう一度切るといったように段階的に切るようにします。これにより、予期せぬ倒壊などの事故を未然に防ぐことが可能です。根本付近で切る際、後で根を切り出すことも考慮して地上から10cm程度は残しておきましょう。
実際に切る際の技術として、受け口と呼ばれる切り込みを入れるのがコツです。幹の直径の3分の1程度を目安として、30度ほどのくさび状に切り込みを入れてください。受け口の反対側にも同様に、3分の1程度を切り込む追い口を入れます。そして切り口を刻んだ後に、追い口から受け口側へと押すと簡単に倒れます。

まとめ

伐採する本数が少なければノコギリで、多ければ電気式チェーンソーを利用すると良いでしょう。いずれの機器や道具もホームセンターで手軽に揃えられる上に、正しい手順を踏めば未経験者でもさほど困難ではないです。庭木を伐採した後、土を掘り起こして根を引っぱれば簡単に除去できます。土や根が固いのであれば、水で柔らかくしたり除草剤を散布して枯れさせると良いです。切った後の幹や葉の処分については各自治体で受け付けている場合はそちらを利用し、制度が用意されていない場合は不用品回収業者を利用しましょう。もし刃物や機器を使用するのが不安であったり、倒木の危険性や騒音が気になるのであれば業者を利用するのも1つの手です。